愉快痛快奇々怪々

作家:藤白圭のブログです。創作・都市伝説取材・不可思議な出来事・キモカワイラストでの一言・近況等を書き記していきます。愉怪な夜を皆様に……

お盆と言えば麿だよね!

今年はお盆に台風が直撃。
日本各地での被害の様子が報道されておりますが、被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。


さて。
お盆と言えば、藤白のもとに毎年がやって来る!

ご存じの方も
そうでない方もいらっしゃるかとは思いますが……


決してG(ゴキブリ)ではございません。


タイトルにも書いてある通り


「麿」

が、やって来るのです。



麿ってなんぞや?


と、思った方。


希代の時代劇悪役俳優

菅貫太郎水戸黄門で演じていた

六条公麿三位中納言を思い浮かべてもらうといい。
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まさしく、こんな顔をした公家がお盆期間にやってくるんですよ。


え?

どーゆーことだって?


いやいや。


それは藤白も知りたいところ。


麿が現れるようになったのは、祖父が亡くなった後の初盆から。


その夜。


仏間で寝た藤白は夜中に急に息苦しさに襲われて目が覚めました。


カッと目を開くけれど
体はピクリとも動かない。
呼吸は不規則で、睡眠時の無呼吸症のように「カッ」とか「ガハッ」とか変な音をたてながら、必死で空気を吸っていました。

とりあえず、これが金縛りなのだと理解した藤白は、
目だけをギョロギョロ動かし周囲を見ました。



そして、ハッと息を呑みました。






窓の外に誰かがいる。




しかも、一人や二人ではない。



窓を必死で叩いているのに音はしない。



真っ暗な闇に浮かぶ白い顔たち。



そして、背後に浮かぶ淡い灯りは提灯のよう。



目を凝らしてよく見ると……





ええー!!!




公家?!



公家のご一行?!



まさしく、麿といった感じの豪奢な衣装を纏った男の後ろには、女官なのだろうか?


これまた白塗り顔の女性が数人、灯りを手にして立っていた。



彼らは藤白と目があうと





ニタリ





と黒い歯を見せて笑った。




その時の藤白の呼吸は


「ひっひっふー、ひっひっふー……」



ではなく




「ひっひっひっ」




と、魚が水面から口を出し、パクパクさせているような、そんな状態。



窓からは入ってこられないのか、彼らは藤白に向かって手招きをしていた。




内心、もう、これはコントなのかホラーなのか心霊現象なのか分からず混乱していた藤白なのですが、金縛りは一向に解けない。

呼吸は乱れ、苦しさが増す。



どうしたものかと思ったときに、たまたまトイレに起きてきた姉が


「ちょっと!気持ち悪い呼吸しないでよ!廊下まで聞こえてきてびびったわ!!」



と、扉をあけて、怒鳴り込んできた。


途端に金縛りは解け、麿たちも消えたわけなのですが……




その年以降
毎年彼らはやってくるのです。


何故か麿一人の時もあったり、牛車に乗ってきたりと、毎度毎度服装も様相も違う麿。


金縛りだけは慣れないけれど、もう十年以上の付き合いになるので、段々と楽しみになっている今日この頃。


今年は何故か、全員白い衣装でやって来たのですが、金縛りを解いてくれたのは、我が家の萬呂介。

夜中に冷たい鼻を頬に当てられて、金縛りが解けたわけですが、真っ暗闇に浮かぶ白い獣と目が合うのも、まぁまぁ心臓に悪い。


しかも、わっるい顔するんですよね。
こいつ。
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しかも、名前もマロスケ!



もしや、マロ繋がりで白コーディネートを?!



段々とネタ化していく麿訪問。


我が家は全く公家関係とは縁もゆかりもないパンピーなだけに、何故、出てくるかは意味不明です(笑)



そうそう!!


本日の深夜。
8月16日25時25分(8月17日1時25分~)

フジテレビにて、「世界で一番怖い答え」という番組にて、拙作の「意味が分かると怖い話」の中から二話使用されます。
tv.so-net.ne.jp

地域によっては視られない場合がありますが、視られる地域の方は是非、ご覧になって頂けたら幸いです。


宜しくお願い致します!