愛知県豊橋市には沢山の妖怪が住んでらっせる。
アナドばあさんに、ごひんさま。
えんち坊主にポッチの池(ボッチではない)
何十匹もいる妖怪の中でも、幼い頃、作者が実際に出会ったのは、マッハババアにリヤカーババア。
そして、今回お話しするホッピングババアの三婆である。
ホッピング婆の生息地は豊橋の中心部にある豊橋公園。
実はこの公園内にあるグラウンドでは、下半身だけで走るランナーや、試合中に、何故か一人増えているように見える野球場。
そして、横を流れる豊川には片身の鱸という川の主までいるというオカルト宝庫の場所であるのだが、その中にある模擬再建された石垣と鉄櫓周辺で、いくつかの目撃例がある。
★石垣と鉄櫓の画像のみWikipediaから画像拝借
公園化された本丸から三の丸へと続く道にも、かなりしっかりとした石垣があり、この辺は昼間でも少々薄暗い。
夏場でもすぐ横の豊川からの風が心地よく通る静かな場所。
ここを通れば直ぐに吉田城の鉄櫓が見える。
ホッピング婆は、この周辺に出没していた。
彼女は人間とは思えない身体能力の持ち主であり、たかがホッピング。
されどホッピング。
大人の身長をゆうに越える高さまでホッピングに乗って飛び上がるのだ。
自分が目撃したのは、かなり遠くからなので、その風貌は明らかではないが、夕方、ビョーンビョーンと高く飛んでは落ち、高く飛んでは落ちを繰り返す黒い人影を、今でも鮮明に思い出す。
とある噂では、彼女は石垣をホッピングで飛び越えることを目標にしていたとか……
最近、目撃情報を聞かないのは、もしかしたら、石垣を飛び越えたからなのかもしれない。