2021年第三回愉怪屋杯結果発表!!
今回は前回までとは違い、締切日ギリギリでのご応募が多く、審査員一同、ドキドキハラハラしながら毎日を過ごしておりました。
けれど、今回も沢山の方々にご応募頂きました愉怪屋杯。
完全匿名での募集ということもあり、純粋に作品だけで皆さまに勝負して頂きました。
今までもレベルが高く、審査員一同毎回唸らされてきたのですが……
今回は更に更にレベルがアップした作品ばかりで、メンバー全員、応募がある度に度肝を抜かれたり、感嘆の声をあげておりました。
切なさ、おどろおどろしさ、緊張感にゾクリとした恐怖。
感情を揺さぶられる作品の数々は、「どれも面白く甲乙つけがたい!!」と悩みに悩みながら審査致しました。
ご応募くださった方々。
素敵な作品をご応募してくださり本当にありがとうございました。
あらためてお礼申し上げます。
審査の方式は点数方式で行わさせて頂きました。
今回の募集ジャンルは「SF」と「ファンタジー」なので
点数の内訳は
①表現技術・文章力
④キャラクター
⑤共感度
⑥熱意
の各5点の計30点満点で採点。
先入観をなくすため、メンバー7人がそれぞれ点数や感想を提出し、最終的に集計をとるという形で行いました。
結果、メンバー7人が提出した点数の総合計によって、受賞作品を決定させて頂きました。
受賞者の方には先日、メールにてペンネームをお聞かせ頂きましたので、作品タイトル&ペンネームを発表させて頂きます!
★ 受賞発表★
【大賞👑遥かなる未来へ愛をこめて】
またたびまるさん
他者を寄せ付けない圧倒的な世界観。
描写力が凄まじく、最初から最後まで周りの音が聴こえなくなるど引き込まれました。
怨嗟、悲しみ、渇望や諦めと呆れ。
おどろおどろしく、グロテスクな部分までもが耽美に描かれた珠玉の物語。
五千文字という制約があるにも関わらず、それを感じさせないほど、主人公の壮大な人生を濃密に見せつけられました。
読み終えたとき、鳥肌がたつこと必須!
審査員満場一致の大賞。
おめでとうございます!!
【準大賞🌟感情配信】
鳥谷 綾斗さん
近未来に起こりうるかもしれない動画配信への警鐘を感じさせる物語。
配信というツールのリンク性や共感性という昨今重要視されている世情に添っているだけでなく、更に配信者の感情がそのまま視聴者の意識を乗っ取ってしまう(伝達、支配する)というストーリー展開はまさに現代社会にマッチした作品だと思います。
SFホラーといった作風ですが、不安定な年頃特有の感情の揺れ動きや、家族への不満といったものが等身大に描かれ、ヒューマンドラマの一面もあり楽しめました。
起承転結もしっかりしているので、展開も分かりやすく多くの人が楽しめるエンターテイメント性の高い物語でした。
【入賞⚛️告白】
藤原 基子さん
ハードボイルドな大人の雰囲気が漂うなかで、淡々と語られる「男の秘密」
揺ったりとした空気から徐々に緊張感溢れる空気へとかわり、一旦、ホッとしたところからの衝撃のラスト!
緩急の巧さが際立つ作品でした。
【入賞⚛️神無月の夕空】
藪 やぶ犬さん
作品全体を通して、ノスタルジックで心暖まる現代(昭和?)和風ファンタジー。
童話や絵本、アニメーション等にして、子供にも読ませたくなる人情味溢れる物語。
この作品にでてくる神様の可愛さはキャラクター賞をあげたいほど。
ハートフルで素敵な物語です。
【入賞⚛️未来は黄金色の】
御伽 紡さん
宇宙船内という逃げ場のない宇宙空間での密室で起きるSFパニックホラー。
容赦のない描写で、蟲嫌いな人はもちろんのこと、そうでもない人でも夢にでてきそうな物語。
とはいえ、切なさを感じさせるラストに作者の優しさを感じました。
【入賞⚛️クニクライの神子】
安崎 依代さ代
神子と呼ばれる者に「予言」を伝える神。
「予言」に翻弄される神子。
「予言」をうまく使い人々を先導する者。
それぞれの思惑が渦巻く壮大なストーリーの序章的な物語。
タイトルに秘められた仕掛けも面白く、長編で読みたいと思いました。
【入賞⚛️未来ガチャ】
五丁目 光佑さん
「世にも奇妙な物語」や「笑うせぇるすまん」を彷彿とさせる物語。
ブラックユーモア満載で、コミカルなタッチにも関わらず内容はダーク。
オチは読めてしまうものの、因果応報のラストにスッキリ感を味わうことが出来ます。
シリーズ化して欲しいと思える物語でした。
【入賞⚛️飛んで異世界】
古井戸 渓さん
淀みのない文章の中にユーモアとブラックユーモアをバランスよく組み込んだコミカルファンタジー。
主人公と召喚した者たちとの価値観の違いによるシュールなやり取りが楽しめました。
【入賞⚛️隣人は異星人】
はやせ 蜜柑さん
異星人との共存をポップに描いた物語。
近い未来、もしかしたら異星人との恋愛関係もあり得るかも!?と思わせてくれるSFラブコメでありながらも、ラストに「本能」的な部分でゾクリとさせるところも魅力的な作品です。
【入賞⚛️未来の食糧】
彩月 志帆さん
違和感なく物語の世界に引き込む筆力のある作品。
構成もとても巧く、計算された物語の運びで、少しずつ顕になる人類の現状が面白かったです。
淡々と語られる静かなる未来への警鐘的なSFホラーは、読後にグッときます。
受賞者の皆様。
本当におめでとうございます!
受賞作品は、愉怪屋杯受賞作品アンソロジー本「未来」に収録させて頂きます。
予定としましては、2022年5月29日(日)12:00~開催予定
「第三十四回文学フリマ東京」にて販売予定です。
また、ネットやkindle等でも販売検討中でございます。
★本自体の表紙
【まかろんKさん】
1,遥かなる未来へ愛をこめて
【usagi56さん】
2,感情配信
【こましよのさん】
3,告白
【ありすさん】
4,神無月の夕空
【mimoriさん】
5,未来は黄金色の
【怜久井 絵夢さん】
6,クニクライの神子
【吉原 瑠偉さん】
7, 未来ガチャ
【お粥さん】
8,飛んで異世界
【comさん】
9,隣人は異星人
【村上 未来さん】
10,未来の食糧
【ンバさん】
審査員賞:天気予報─ミライ─
【ポメまろさん】
★審査員特別賞★
藤白圭賞:『隣人は異星人』
副賞・ワニ肉
天音凛音賞: 『天気予報─ミライ─』
副賞・クロネコトート
ありす賞: 『告白』
副賞・メガネスタンド
神谷信二賞: 『感情配信』
副賞・VRゴーグル
管野光人賞: 『神無月の夕空』
副賞・もっちり今川焼
沢市さとみ賞: 『飛んで異世界』
副賞・エイリアンマスク
清水誉賞: 『未来は黄金色の』
副賞・カマキリトート
このたびは、ご応募くださいました方々、本当にありがとうございました。
また、ご協力、応援くださった皆様、いつも感謝しております。
★講評希望された方には1月中にお送りいたしますので、宜しくお願い申し上げます。
少しコロナが落ち着いてきたと思ったら……
今度はオミクロン株が猛威を奮い、中々落ち着かない世の中ではございます。
ですが、コロナが落ち着きましたら、愉怪屋として何かしらイベント企画が出来たらいいなと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
なお、審査員も短編作品をかき、アンソロジー本「未来」に掲載させて頂きます。
審査員枠の表紙絵師様は後日発表させてくださいませ。
そ
し
て
第四回愉怪屋杯もやるつもりです!!
次回のジャンルもお題もまだまだ悩んでおりますが……今度は小学生部門とかも設けてみたいなあ……と思ってみたり。
どのような展開にもっていけるか分かりませんが、少しでも多くの方に
「物語」を
創る喜び
紡ぐ楽しさ
を感じて頂けたらいいなーと思っております。
そして、この私設公募が少しでも自信や励み、目標を掴むきっかけになってくれたら幸いです。
次回もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
愉怪屋座長:藤白 圭